鎌倉駅の西口から出発です。
八幡宮や小町通りなどのある東口とは反対側、江ノ電の改札のある側の出口です。
東口と比べるとややこじんまりとしているせいは、地元では「裏駅」と呼んでいます。
この左手に小さな広場があります。
待ち合わせスポットとしておなじみのこの広場には、小さな時計台があります。
昭和59年に、鎌倉駅が今の駅舎に改修された際に、
前の駅舎にあった時計台が、ここに移されました。
関東大震災の際に、駅舎は壊れましたがこの時計台は無事だったとか。
この広場の脇には東口に出る地下道があります。
また、この広場の前には人力車がいつも止まってますね。
最近この広場の隣のレンタサイクルのお店が、
腸詰屋さんというソーセージ屋さんに変わって、いつも行列しています。
鎌倉駅から源氏山に行くにはいくつかルートがあるのですが、
今回は一番わかりやすいルートで行きたいと思います。
駅前の通りを少し歩くと「市役所前」という交差点に出ます。
紀ノ国屋スーパーがある十字路です。
左に行くと、御成小学校、六地蔵を経て由比ガ浜へと続く道。
右に行くと、横須賀線の線路沿いに、寿福寺や海蔵寺へと続く道。
まっすぐ行くと、常盤、梶原、深沢、手広を経て藤沢へと続く道。
源氏山に行くには、ここで2つのルートに分かれます。
まずは、直進してみましょう。
すぐ左手に鎌倉市役所があります。
鎌倉駅西口から梶原、桔梗山に向かうバスの乗車は、
ここ鎌倉市役所前からになります。
そのバス停の向かいにあるのが、スターバックスコーヒー御成町店。
もともとは漫画家 横山隆一氏の邸宅でした。
氏が愛した桜の木や藤棚、プールなどはそのまま活用されていて、
とても居心地の良い空間です。
このあたりの地名、御成(おなり)は、
ここに鎌倉御用邸があったことに由来します。
鎌倉市役所や中央図書館、御成小学校などは、その跡地に建てられたもの。
さきほどの「市役所前」の交差点を左に少し行くとある、
御成小学校の正門は旧鎌倉御用邸の正門だったものです。
市役所前からゆるやかな坂をのぼり、御成トンネルを抜けると、
鎌倉税務署の先に「法務局前」という交差点があります。
ここで右に曲がります。
この道が銭洗弁天を経て、源氏山へと向かう道です。
ここで、またさきほどの「市役所前」の交差点にもどって、
もうひとつのルートをご紹介しておきましょう。
「市役所前」の交差点を右に曲がります。
紀ノ国屋の前の道は、昔は「今小路」と呼ばれていた道です。
古のメインストリートといったところでしょうか。
少し歩くと、左側にこんなかわいらしい看板があります。
ここを左に入ります。
このあたりは扇ガ谷(おうぎがやつ)と言いますが、
その昔は、亀ガ谷と呼んでいたそうです。
八幡宮のある鶴ヶ丘に対して対語になっています。
鎌倉幕府を開いた頼朝公の父、義朝がこのあたりに住んでいたとか。
しばらく住宅街を進むと二股に分かれますが、看板の通り左に曲がります。
この角におしるこ屋さんがありますが、ここもいつも行列ですね。
そのおしるこ屋さんの桜。
少し急な坂をのぼり佐助トンネルを抜けると、そこが佐助です。
坂をくだって行くと、正面に綺麗に山桜が咲いていました。
ここで、さきほどの「法務局前」から来る道と合流します。
ここで右に曲がります。
(「法務局前」から来た場合はそのまま直進)
道の端に小川の流れる狭い道ですが、
意外と車が通るので、すこし窮屈に感じるかもしれません。
少し歩くと、こんな道しるべが。
右側に佐助稲荷道、左側に銭洗弁財天道とありますが、
右に行くと銭洗弁天、左に行くと佐助稲荷です。
少し寄り道して、左に曲がり、佐助稲荷のほうへ行ってみましょう。
道端に桜が咲いていました。
少し散りはじめていましたが、
道路に桜の花びらが散っているのも、また良いものですね。
しばらく歩くと佐助稲荷の赤い鳥居が見えてきます。
御祭神は宇賀福神。
その昔、頼朝公が伊豆に配流となっていた時に、
夢に老翁が出現して、挙兵を勧めたという伝説があります。
頼朝公の幼名、佐殿(すけどの)を助けたから佐助となったとか。
その伝説から、出世稲荷として信仰されています。
朱塗りの鳥居がトンネルになった急な坂をのぼったところにある境内は、
木々がうっそうと茂り静寂感ただようまさに隠れ里。
ひとりで行くと少し怖いくらいに静かです。
境内の片隅には古来水源となっていた霊狐泉が、今でも湧き出ています。
さきほどの道しるべまでもどり、今度は銭洗弁天に向かいます。
かなり急な坂をのぼると、コケに覆われた切通しの先に洞穴が見えてきます。
この洞穴の先が銭洗弁天です。
ここも佐助稲荷と同じく、御祭神は宇賀福神。
同じように頼朝公の夢に、宇賀福神があらわれ、
自分の隠里に湧く水を探し出せば国が栄える、と告げたという伝説があります。
そこから有名な「霊水でお金を洗うと何千倍になる」というご利益になったそうです。
ちなみにここの湧き水「銭洗水」は鎌倉五名水のひとつです。
驚くほどに水が豊富に湧き出ています。
鎌倉駅からゆっくり歩いて、30分程といったところでしょうか。
せっかくなので駅前から人力車を利用するのも良いかもしれません。
西口からここまで、10分程で着きます。
おひとりだと2000円、おふたりだと3000円ということです。
銭洗弁天を出て左に、急な坂をのぼっていきます。
山桜が綺麗でした。
この階段をのぼると、源氏山公園です。
源氏山は、頼朝公の4代前の祖、八幡太郎義家が後三年の役に出征するときに、
この山に白旗を立てて祈ったという伝説から「白旗山」とも呼ばれています。
源氏山公園、葛原岡神社、化粧坂切通しなど見所がたくさんあります。
まずは、さきほどの階段をのぼらずに、右のほうに少しくだっていきます。
しばらく山道を歩くと、少しひらけた場所に出ます。
桜が綺麗でした。
地面が人工芝なのと、景色があまりよくないのが残念ですが、
ここでお弁当など食べても良いかもしれませんね。
ここには頼朝公の座像があります。
頼朝像のちょうど裏手には、鎌倉七口のひとつ、化粧坂(けわいざか)切通しがあります。
切り通しとは、山を切り崩して人工的につくられた道です。
南を海、三方を山に囲まれた鎌倉に入るための道を、
このような通りにくい道にすることで、防衛を容易にしていたそうです。
この化粧坂切通しは、鎌倉の中心部に近いことから、重要な物流の拠点だったそうです。
国の史跡になっています。
かなり急な坂道です。
ここはすぐにぬかるむので、足下にはじゅうぶんお気をつけください。
この切通しをくだると、海蔵寺へと出ますが、
今回はまた上にもどって、今度は右の奥のほうへと向かいます。
銭洗弁天からあがって来て、さきほどの階段をのぼったあたりに、
葛原岡神社があります。
鳥居の先、坂をのぼると本殿です。
この鳥居の前を右に行くと、北鎌倉の浄智寺へと続く大仏ハイキングコースです。
葛原岡神社は、後醍醐天皇の側近だった日野俊基を祀った神社です。
後醍醐天皇とともに倒幕計画をおこし、鎌倉幕府に逮捕され処刑されたのが、この場所でした。
写真の左手前あたりにお墓もあります。
少しおどろおどろしい話になりましたが、ここは桜の名所でもあります。
ここは天気が良ければ、富士山が見えるポイントなのですが、
あいにくこの日は、少しもやがかかっていて見えませんでした。
風に吹かれて舞い散る桜の花びらがとても綺麗でした。
少し園内を散策してみましょう。
梅に桜に桃に椿と、花がたくさん咲いています。
山の上なのでぽかぽかと陽当たりもよく、なんとなく桃源郷のような場所です。
ここから、桔梗山を抜けて、梶原を目指します。
銭洗弁天からあがってきて、階段をのぼり、左に行くと、分岐があります。
左は、大仏ハイキングコース。
ここから銭洗弁天や佐助稲荷の裏手を通って、長谷の大仏まで続いています。
そのうちここも歩いてみたいと思いまが、
今回は、この右側の道をくだって行きます。
道の両側に、たくさん花が咲いてました。
水が湧き出ているところも。
しばらくくだると、大きな桜の木があります。
左に行くと桔梗山。
グリーンハイツという団地があります。
ひそかなコケの名所でもあります。
桜の木の上にリスがいました。
ちょっと見にくいですが、わかりますか?
鎌倉にはほんとうにリスが多く、街中の電線の上を走り回っている姿もよく見られます。
見ている分にはかわいいのですが、家の天井裏に入り込んでしまったりと、
住人にとっては少しやっかいな存在でもあります。
ここを右に進みます。
すぐに「S字坂下」というバス停があります。
ここを右に行くと、S字坂をのぼって北鎌倉へと続きます。
ここは左に曲がります。
大通りの脇にも野の花が咲いていました。
左手に、旧野村総研の跡地です。
鎌倉市で公園にする計画があるという話です。
このあたりは山桜が綺麗な場所でもあります。
少し行くと「梶原バス停前」という交差点。
ここを右に曲がると、中の坂です。
梶原郵便局の前をまた右に。
この梅見坂は、その名の通り梅の木がたくさんあります。
梅の季節には、あたり一面に梅の甘い香りがただよいます。
今はもう梅は終わってしまいましたが、
チューリップが綺麗でした。
下から数えて3本目の路地を、右に入ります。
左側、6軒目に手仕事工房 丹があります。
この看板を目印に、ご自由にお入りください。
ぽかぽかと陽のあたる縁側で、日向ぼっこしながら、疲れを癒してください。
のんびりと寄り道しながら歩いて2~3時間というところでしょうか。
わき目もふらずに、ただひたすら歩くと1時間弱でたどり着きます。
桜はそろそろ終わってしまいそうですが、これから新緑の美しい季節になりますね。
気候も暖かくなって、絶好のハイキングシーズンではないでしょうか。
ぜひ鎌倉に、そして丹にもお越しください。
丹の詳しい情報は、
ホームページをご覧ください。